採用動画の主な種類(5タイプ)と、目的別の使い分け

  • 導入するメリットと、調査データで見る採用への効果
  • 成果につながる作り方の流れ(企画→撮影→編集→公開)
  • 制作会社の選び方と、見積もりを比較するときの確認ポイント
  • 生成AIで撮影工数を抑える方法

売り手市場が続くなか、テキストと写真だけの採用サイトでは、会社の雰囲気や働く人のリアルが伝わりにくくなっています。

実際、就活生の9割以上が「採用動画はあったほうがよい」と回答し、視聴した学生の約7割は志望度が上がったという調査結果もあります(出典:株式会社プルークス「就活生の採用動画視聴に関する調査」)。

一方で、いざ制作するとなると「どんな種類を作ればいいのか」「何にどれだけ予算をかけるべきか」「どの制作会社に頼めばいいのか」で止まってしまう採用担当者は少なくありません。

本記事では、採用動画の種類・メリット・制作の流れ・制作会社の選び方までを一気通貫で解説します。
あわせて、いま急速に広がっている生成AIを活用した採用動画制作によって、従来必要だった撮影工数を大きく圧縮する方法も紹介します。

目次
  1. 採用動画とは?いま企業が導入する背景
  2. 採用動画を制作する5つのメリット
  3. 採用動画の制作費用の目安と内訳
  4. 成果につながる採用動画の作り方(企画→撮影→編集→公開)
  5. 採用動画の制作会社の選び方と外注時の注意点
  6. 採用動画にAIを活用するメリット【費用・撮影工数を抑える】
  7. まとめ:自社に合った採用動画の始め方
  8. よくある質問(Q&A)

採用動画とは?いま企業が導入する背景

スマートフォンで採用動画を視聴する就活生。動画で伝える、会社のリアル

採用動画とは、求職者に向けて自社の事業内容・働く環境・社員の人柄などを映像で伝える動画コンテンツです。
会社説明会・採用サイト・求人媒体・YouTube・SNSなど、候補者との接点全体で活用されます。

採用市場の変化と動画が選ばれる理由

企業が採用動画を導入する背景には、大きく3つの変化があります。

1. 候補者の情報収集が「動画ファースト」になった

就職活動中の学生の6割以上が企業の採用動画を視聴した経験を持ち、その半数以上がYouTube経由で視聴しています(出典:プルークス「就活生の採用動画視聴に関する調査」2021年)。
Z世代にとって、企業研究の入口はテキストではなく動画です。
求人票や採用サイトの文章を読み込む前に、まず動画で「雰囲気が合うか」を判断する行動が定着しています。

2. 採用競争の激化で「選ばれる側」になった

少子化による労働人口の減少で、多くの業界・職種で企業が候補者から選ばれる立場になりました。
給与や条件だけでは差別化しにくいなかで、社風・ビジョン・働く人の魅力といった「言語化しにくい価値」を伝えられる動画の重要性が増しています。

3. オンライン採用の定着

説明会や面接のオンライン化により、候補者がオフィスや社員の様子を直接見る機会が減りました。
その空白を埋める手段として、職場のリアルを届ける採用動画が標準装備になりつつあります。

採用動画の主な種類(会社紹介/社員インタビュー/職種紹介/創業者ストーリー/ドラマ型)

採用動画は目的とフェーズによって使い分けます。
代表的な5タイプは以下のとおりです。

種類内容向いている目的
会社紹介型事業内容・ビジョン・オフィス・数字で見る会社などを網羅的に紹介認知拡大、説明会の冒頭、採用サイトのトップ
社員インタビュー型社員が仕事のやりがい・入社理由・1日の流れを語る志望度の向上、カルチャーマッチの判断材料
職種紹介型職種ごとの業務内容・キャリアパスを具体的に解説職種理解の促進、ミスマッチ防止
創業者ストーリー型創業の経緯・原体験・事業にかける想いを創業者の言葉と映像で描く企業理念・創業精神の伝達、ビジョン共感型の採用
ドラマ・コンセプト型ストーリー仕立てや世界観重視の映像でブランドを訴求応募のきっかけづくり、SNSでの拡散、企業ブランディング

学生が実際に見たいコンテンツの調査では「事業紹介(54%)」が最多で、「社員インタビュー(50%)」「社員の1日の流れ(50%)」「職種紹介(46%)」が続きます(出典:プルークス「就活生の採用動画視聴に関する調査」)。

まず1本作るなら、事業紹介と社員の姿を組み合わせた会社紹介型が定番です。

採用動画を制作する5つのメリット

採用動画、5つの効果を表す階段状に光る5つのブロックのミニチュア

採用動画のメリットは「かっこいい映像が作れる」ことではなく、採用活動のコスト構造と歩留まりを改善できることにあります。

  1. 説明コストの削減と情報伝達の均一化
  2. ミスマッチ・早期離職の防止
  3. 応募率・志望度の向上(視聴した就活生の約7割が志望度上昇)
  4. テキストでは伝わらない社風・人柄の伝達
  5. 一度作れば数年使える資産型コンテンツ(媒体掲載費と異なりストック化する)

このうち、特に効果が大きい2つを掘り下げます。

説明コストの削減と情報伝達の均一化

会社説明会やカジュアル面談では、登壇する社員によって説明の質や内容にバラつきが出がちです。
会社紹介動画を用意すれば、事業概要やビジョンの説明を動画に任せ、人事や現場社員は質疑応答や対話に時間を使えます。

説明会のたびに同じ説明を繰り返す工数が削減されるだけでなく、オンライン説明会・スカウト送付時・内定者フォローなど、あらゆる接点で「同じ品質の会社説明」を届けられるのが動画の強みです。

ミスマッチ・早期離職の防止

早期離職の主要因のひとつは「入社前のイメージと実際のギャップ」です。
社員インタビューや職場のリアルな様子を事前に見せることで、候補者は自分に合う環境かどうかをより正確に判断できます。

結果として、志望度の低い応募が減って選考効率が上がり、入社後のギャップ由来の離職も抑えられます。
採用動画は応募者を「増やす」ためだけでなく、「合う人に絞り込む」ためのフィルターとしても機能します。

採用動画の制作費用の目安と内訳

採用動画の制作費用を示す見積書と段階的な棒グラフ。費用相場と価格の仕組み

採用動画の費用は「企画の複雑さ × 撮影日数 × 編集の作り込み」でほぼ決まります。
外注時の主な内訳は、企画構成費・ディレクション費・撮影費(機材・スタッフ・スタジオ)・編集費(カット編集・テロップ・BGM・ナレーション)・出演関連費です。

費用を左右する5つの要素

採用動画は「1本いくら」で決まる商品ではなく、同じ尺でも構成次第で費用は大きく変わります。
見積もりを比較するときは、次の5点が自社の要件でどうなっているかを確認してください。

要素費用が上がるケース
撮影日数複数日にわたる撮影、繁忙期を避けた分散撮影
撮影場所の数複数拠点・複数現場でのロケ、スタジオ利用
撮影規模カメラ台数・照明・音声などのスタッフや機材が増える
出演者社員以外にプロのキャストやナレーターを起用する
編集の作り込みモーショングラフィックス・CG・アニメーションを多用する

このなかで最も影響が大きいのは撮影の規模です。
インタビュー1本を1箇所で撮るのか、複数職種・複数拠点を数日かけて撮るのかで、費用は数倍の差になります。
逆に言えば、「どこを撮影で見せ、どこを別の手段で表現するか」を企画段階で設計できれば、予算はコントロールできます。

なお、動画制作全般の費用の内訳や見積もりの読み方は、別記事「動画制作の費用相場ガイド」でも解説しています。

成果につながる採用動画の作り方(企画→撮影→編集→公開)

採用動画の作り方を示す企画から公開までの5工程を並べた俯瞰デスク

採用動画は「作ること」ではなく「採用KPIを動かすこと」がゴールです。
工程ごとの要点を押さえましょう。

STEP1. 企画(最重要)

  • ターゲットを具体化する(新卒/中途、職種、志向性)
  • 動画の役割を決める(母集団形成か、志望度向上か、ミスマッチ防止か)
  • 配信面から逆算する(説明会用なら3〜5分、SNS用なら15〜60秒の縦型、採用サイト用なら1〜3分)
  • 「候補者が知りたいこと」を軸にする。企業が言いたいことだけを並べた動画は視聴されません

STEP2. 構成・台本

  • 冒頭5秒で「誰向けの何の動画か」を提示する(離脱防止)
  • 尺は1〜3分に要点を絞る。ノーテッドの調査では就活生の約6割が3分以上の動画で離脱し、5分を超えると8割以上が視聴をやめると回答しています(出典:ノーテッド「採用動画の効果的な活用方法に関する実態調査」)。リアルを詰め込みすぎて長尺化するより、要点を絞る設計が視聴完了率の面では有利です
  • 社員インタビューは台本の読み上げではなく、質問設計でリアルな言葉を引き出す

STEP3. 撮影

  • 撮影当日の進行表(何時にどの場所で誰を撮るか)を綿密に組み、撮影を1日に集約する
  • インタビューは本人が最もリラックスできる場所で

STEP4. 編集

  • テロップは必須。就活生の多くは音声を出せない環境でも視聴するため、字幕対応が視聴率を左右します(出典:同・ノーテッド調査
  • 尺は用途別に複数バージョン書き出す(フル尺+SNS用ショート)

STEP5. 公開・運用

  • 採用サイト・YouTube・説明会・スカウトメール・求人媒体へ多面展開
  • YouTubeアナリティクス等で視聴維持率を確認し、離脱ポイントを次回制作に反映
  • エントリー数・説明会参加率・内定承諾率など採用KPIとの相関を追う

採用動画の制作会社の選び方と外注時の注意点

採用動画の制作会社を比較検討しチェックする手元。失敗しない制作会社選び

採用動画の外注先を選ぶ際は、次の5つを確認してください。

  1. 採用動画の制作実績があるか:同業界・同規模の実績があれば、ターゲット理解のすり合わせが速い
  2. 企画から入ってくれるか:撮影・編集だけの「制作代行」ではなく、採用課題のヒアリングから企画提案できる会社を選ぶ
  3. 見積もりの内訳が明瞭か:企画費・撮影費・編集費・修正回数の条件が明記されているか。「一式」表記のみの見積もりは追加費用トラブルの元
  4. 修正回数と範囲が契約に含まれるか:初稿後の修正が何回まで無料か、構成変更レベルの修正は別料金かを事前に確認
  5. 著作権・二次利用の条件:完成動画をSNS切り出しや翌年の説明会に流用できるか、素材データの納品有無を確認

加えて2026年現在は、生成AIへの対応力が新しい比較軸になっています。
AI活用の実績がある会社なら、同じ予算でもイメージ映像や多言語版まで含めた提案が可能です。
制作会社選び全般のチェックリストは「動画制作会社の選び方」記事も参考にしてください。

採用動画にAIを活用するメリット【費用・撮影工数を抑える】

従来の採用動画でコストの大半を占めるのは「撮影」です。
イメージシーン・アニメーション・ナレーションなどを生成AIで制作すれば撮影工程を大きく圧縮でき、従来相場より低予算での制作が可能になります。

さらにAIには、費用面にとどまらない採用動画ならではのメリットがあります。

  • 出演社員の退職リスクがない:AI人物なら公開停止・作り直しが不要で、半永久的に使える
  • 「社員が出演したがらない」問題が消える:出演交渉・肖像権の調整が不要になる
  • 理想の社員像をそのまま映像化できる:実在の社員に縛られず、求める人物像を描ける

各メリットの詳細と制作の考え方は、別記事「採用動画にAIを活用するメリット」で近日公開予定です。

スムージースタジオの制作事例は、東京理科大学のURA採用ブランディングドラマをはじめ、制作実績ページで随時更新しています。

まとめ:自社に合った採用動画の始め方

録画ボタンに指をかけるカメラと明るいオフィス。自社に合う採用動画の始め方

採用動画は、候補者の情報収集が動画中心になった現在、採用広報の標準装備になりつつあります。始め方の要点を整理します。

  • まず1本作るなら会社紹介型 or 社員インタビュー型。学生ニーズの調査結果とも合致する定番です
  • 費用は撮影の規模(撮影日数・場所の数・スタッフ数)でほぼ決まる。生成AIで撮影工数そのものを圧縮するという選択肢がある
  • 尺は1〜3分を基本に、SNS用ショートを併せて展開
  • 制作会社は「採用動画の実績」「企画力」「見積もりの透明性」に加え、AI対応力で選ぶ

よくある質問(Q&A)

光るクエスチョンマークのオブジェで表す採用動画のよくある質問

Q1. 採用動画の制作費用はいくらかかりますか?

A. 「1本いくら」ではなく、撮影日数・撮影場所の数・撮影規模(カメラやスタッフの数)・出演者・編集の作り込みで決まります。
同じ尺でも構成次第で大きく変わるため、まずは目的とご予算をお聞かせいただければ、その範囲で実現できる構成をご提案します。
生成AIを活用して撮影工数を減らすことで、予算を抑えつつクオリティを維持する選択肢もあります。

Q2. 制作期間はどのくらいですか?

A. インタビュー中心のシンプルな構成で2週間〜1.5ヶ月、会社紹介型など撮影規模が大きいものは2〜3ヶ月が一般的です。
採用サイトの公開や説明会の開催日から逆算し、2〜3ヶ月前には制作会社への相談を始めるのが安全です。

Q3. 採用動画の長さは何分がよいですか?

A. 1〜3分が基本です。
就活生の約6割が3分以上で離脱するという調査結果(出典:ノーテッド「採用動画の効果的な活用方法に関する実態調査」)があるため、要点を絞り、伝えきれない情報はSNS用ショートや複数本のシリーズに分けるのが効果的です。

Q4. 生成AIでどこまで作れますか?

A. イメージシーン・アニメーション・ナレーション・多言語版などはAIで制作でき、撮影は社員インタビューなど「リアルの証明」が必要な部分に絞れます。
スムージースタジオでは東京理科大学のURA採用ブランディングドラマを全編生成AIで制作した実績があります。

Q5. 完成した動画は説明会以外にも使えますか?

A. 使えます。
採用サイト・YouTube・求人媒体・スカウトメール・SNSへの展開が一般的で、フル尺から縦型ショートを切り出すことで1本の動画を多面的に活用できます。
二次利用の可否と素材データの納品条件は、契約前に制作会社へ確認してください。

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監修者:株式会社スムージースタジオ 弘田 朗(ひろた たから)
監修者
株式会社スムージースタジオ
弘田 朗(ひろた たから)
AI動画クリエイター/DXエンジニアとして、広告代理店や事業会社の動画制作・デジタル変革を多数支援。
AIを活用した動画生成やクリエイティブ最適化の実務経験を持ち、スピードと品質を両立させた制作フロー構築を得意とする。特に広告配信におけるABテスト用動画の生成や、ブランド一貫性を担保したAI活用の設計に定評がある。