この記事で分かること
- Seedance 2.0の概要と他のAI動画ツールとの違いが、30秒で分かる
- 商用利用は可能か、法人案件で使うときに何を確認すべきか
- 公式API・コンシューマプラン・サードパーティ経由を含めた料金の全体像
- 法人案件のキャラ・プロダクト一貫性を担保する「R2V(Reference-to-Video)」ワークフローの組み方
「Veo、Kling、Vidu、Seedanceなど、AI動画ツールが増えすぎて、結局どれを仕事で使えばいいのか分からない」
最近、こうした相談をよくいただきます。
なかでもByteDanceが2026年2月にリリースしたSeedance 2.0は、価格対品質の良さと画像・動画・音声などを組み合わせた参照(R2V)の柔軟性で、法人案件の制作現場で急速に存在感を増しているモデルです。
本記事は、広報・マーケ・制作担当者向けに、Seedance 2.0の「実務で何をどう判断すべきか」を1本にまとめた完全ガイドです。
Table of Contents
- Seedance 2.0とは?基本情報
- 開発元とリリース時期
- T2V・I2V・R2V対応と生成可能な尺
- Seedance 2.0の5つの特徴
- ① 物理表現の自然さ(落下・流体・布の動き)
- ② カメラワークの制御精度
- ③ 1080p対応と高フレームレート出力
- ④ 音声・SE同時生成
- ⑤ R2V対応(マルチモーダル参照)
- Seedance 2.0でできること・苦手なこと
- 得意:実写ライクな映像、プロダクトショット、人物アクション
- 苦手:カタカナ商品名のAI音声、長尺の整合性、手元作業
- Seedance 2.0の料金プラン
- 公式コンシューマ料金(Dreamina)
- API料金(fal.ai経由、2026年5月時点)
- Seedance 2.0を横断的に比較した料金まとめ
- Seedance 2.0の商用利用ガイド
- 商用利用は可能か
- クレジット表記の必要性
- 法人案件で使うときの実務的な注意点
- NG用途
- R2Vで使い倒す制作手順
- T2V・I2V・R2Vの違いと使い分け
- なぜR2Vが法人案件で重要か
- GPT-image-2で参考画像を作る → Seedance 2.0で動かす基本フロー
- 参考画像の作り方のポイント
- 制作手順の実例(参考画像→生成結果のBefore/After)
- Seedance 2.0が真価を発揮するシーン
- 物理表現が肝の商品紹介(液体・粉末・布の動き)
- カメラワーク主導のシネマティック映像
- 1080p納品要件のあるSNS縦型ショート
- 音声・SEまで1回の生成で作りたい短尺コンテンツ
- Seedance 2.0を実際に案件で使用した例
- まとめ|Seedance 2.0が向いている案件・向いていない案件
- 向いている案件
- 向いていない案件
- よくある質問(FAQ)
- Q1. 商用利用にライセンス料は必要?
- Q2. 出力動画の最大解像度は?
- Q3. 日本語プロンプトはそのまま使える?
- Q4. 生成時間はどのくらい?
- Q5. R2Vでは何枚まで参考素材を使える?
- Q6. 顔・指の崩れは改善されている?
- Q7. 競合ツール(Veo 3.1、Kling 3.0)との違いは?
Seedance 2.0とは?基本情報

開発元とリリース時期
Seedance 2.0は、TikTokを運営するByteDance社が開発したAI動画生成モデルです。
2026年2月12日に公式リリースされました。
ByteDance Seedは、画像生成モデル「Seedream」シリーズと動画生成モデル「Seedance」シリーズを並行開発しており、Seedance 2.0は2025年6月リリースの初代Seedance 1.0 / 1.0 Pro、2025年12月のSeedance 1.5 Pro(音声同時生成に初対応)の系譜に連なる最新版です。
リリース直後の2026年2月13〜14日にかけて、Disney、Paramount、Warner Bros. Discovery、Netflix、Sony Picturesが個別に著作権侵害を理由としたCease & Desist(停止要求)レターを送付し、全米映画協会(MPA)も主要AI企業向けとしては史上初の停止要求書(C&D)が発出されました。
ByteDanceは2月16日に「知的財産権を尊重する」と表明し、以下の制限強化を実施したうえで運用を継続しています。
- ディズニーキャラクター(ミッキー、アイアンマンなど)の名前や視覚的特徴を含むプロンプトの生成ブロック
- 実在人物の顔を参考画像として使う機能の無効化(Dreamina/CapCut経由)
- 生成動画への不可視ウォーターマークの自動付与
この経緯があるため、Seedance 2.0は「既存IP・実在人物・タレントを動画化する用途には使えない」という前提で導入を検討するのが安全です。
T2V・I2V・R2V対応と生成可能な尺
Seedance 2.0は3つの独立したモードを持ちます。
| モード | 入力 | 主な用途 |
|---|---|---|
| T2V(Text-to-Video) | テキストプロンプトのみ | コンセプト出し、雰囲気探索 |
| I2V(Image-to-Video) | 開始フレーム or 開始+終端フレーム | 既存写真を動かす |
| R2V(Reference-to-Video) | 画像・動画・音声の組み合わせ(最大12ファイル) ※プラットフォームによっては、動画や音声を参考素材に使えないプラットフォームもあり) | キャラ/プロダクト一貫性、複数素材の合成 |
法人案件で最も価値が高いのはR2Vです。
1回の生成で画像9枚+動画3本+音声3本まで参照できる設計は、競合のVeoやKlingには今のところありません。
スペックは以下のとおりです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 出力解像度 | 480p / 720p / 1080p(Fast・Standard)、最大2K(2048×1080、Proのみ) |
| アスペクト比 | 16:9、9:16、4:3、3:4、21:9、1:1 |
| 動画長 | 4〜15秒(1秒刻み) ※使用するプラットフォームによっては1秒刻みで設定できない場合があります。 |
| フレームレート | 24fps |
| 音声 | デュアルチャンネル・ステレオ、ネイティブ同時生成 |
| 生成時間 | 通常30〜120秒(混雑時は数分〜30分) ※RunwayやTopviewなどの無制限モードのあるプラットフォームで、無制限モードで使用するとさらに時間はかかります。 |
Seedance 2.0の5つの特徴

① 物理表現の自然さ(落下・流体・布の動き)
Seedance 2.0の最大の強みは、複数の被写体が同時に物理法則に従って動くシーンの破綻率が低いことです。
ByteDance公式評価では、ペアフィギュアスケート、競技スポーツ、洗濯物の風になびく動き、水の弾け方といった複雑モーションで業界最高水準を主張しています。
第三者の検証でも「90%以上の成功率」という記述が複数のレビューに見られます。
商品紹介で言えば、液体(飲料の注ぎ、化粧水の滴下)、粉末(粉ミルク、コーヒー)、布(タオル、衣類)、煙、火の描写がきれいに通ります。
撮影では一発で決まりにくいカットがプロンプト数回で出るのは、コスト面で大きな利点です。
② カメラワークの制御精度
プロンプトベースのカメラ指示が他モデルより安定して効きます。
「Hitchcock zoom」「orbit shot」「tracking shot」「handheld」といったシネマトグラフィー用語に正確に応答するため、絵コンテのまま動画化できる感覚に近いです。
さらに、R2Vモードで参考動画を渡すと、その動画のカメラの動き・カット割り・テンポを新しい動画に反映できます。
これは「過去の自社CMのテンポを踏襲した新クリエイティブを作りたい」といった依頼で強力に効きます。
③ 1080p対応と高フレームレート出力
Standardで1080p、Proで2K(2048×1080)にネイティブ対応。
フレームレートは24fpsです。
解像度単体ではVeo 3.1の4KやKling 3.0の4K/60fpsに譲りますが、1080pネイティブ+音声同時生成+15秒尺+低コストという組み合わせは、SNS縦型ショートやWebCMのプリビジュアル用途で圧倒的に使いやすい構成です。
④ 音声・SE同時生成
Seedance 2.0は、Dual-Branch Diffusion Transformer(DB-DiT)と呼ばれるアーキテクチャで、映像と音声を並列・同時に生成します。
これはSora 2やVeo 3.1が採用する「映像を作ってから音声を後付けする」カスケード型と根本的に異なる設計です。
BGM・環境音・キャラクターのボイスオーバーを1回の生成で出力でき、映像のリズムとシームレスに同期します。
MAや効果音作業の工数を50〜80%削減できるケースもあります。
ただしカタカナ商品名のAI音声は安定しません。(次節で詳述)
⑤ R2V対応(マルチモーダル参照)
R2Vは、テキストではなく最大12個の参照ファイルで生成方向を制御できる機能です。
プロンプト内で@Image1や@Video1という記法を使い、それぞれのファイルに役割(被写体/背景/動き/音楽など)を割り当てます。
法人案件で扱いに困る「キャラの顔がショットごとに変わる」「ブランドカラーが安定しない」「商品が別物に見える」といった問題を、参照画像の差し替えだけで解決できる仕組みです。
これが本記事の中盤で重点的に扱う、Seedance 2.0最大の差別化機能です。
Seedance 2.0でできること・苦手なこと

得意:実写ライクな映像、プロダクトショット、人物アクション
- 人物のマイクロ表情、布・髪の物理、肌の質感
- ドリー(カメラが被写体に近づく/離れる動き)、オービット(被写体の周りを回り込む動き)、ラックフォーカス(ピントを移す表現)といったプロダクトショット定番の動き
- 液体・粉末・布・破片・スポーツアクションなどの物理表現
- 1プロンプトで複数カットを自動構成する「マルチショット」
- BGM・SE・セリフ込みのショート尺
苦手:カタカナ商品名のAI音声、長尺の整合性、手元作業
法人案件で事故が起きやすいのは、以下の領域です。
- カタカナ商品名のTTS(AI音声読み上げ):「ナノバナナプロ」「シーダンス」など、カタカナ商品名は音素分割が崩れたり、英語的なアクセントで読み上げられたりします。
確実に発音させたい場合は、別途ElevenLabs等で音声を作って後付けする方が安全です。 - 20秒以上の長尺:1ショット最大15秒なので、長尺はクリップ連結が必須です。
クリップ間の整合性(光・色・キャラ)は人手で調整する必要があります。 - 複雑な手元作業:指の絡み、細かい工具操作は依然として崩れます。
- 画面内テキスト生成:稀な文字・特殊記号は破綻しやすく、ロゴや看板の文字は別途合成する運用が現実的です。
- 既存IP(キャラクター・ブランド)の再現:Disney等のC&D後、フィルタリングは強化されています。
「苦手」を理解して、得意領域に絞って使うのが、Seedance 2.0を業務で安定運用するコツです。
Seedance 2.0の料金プラン

公式コンシューマ料金(Dreamina)
| プラン | 月額 | 月次クレジット |
|---|---|---|
| Free | $0 | 1日225トークン(商用利用不可、ウォーターマーク付き) |
| Basic | 約$15 | 1,575クレジット |
| Standard | 約$35 | 3,885クレジット |
| Advanced | 約$70 | 8,645クレジット |
Dreamina経由の場合、10秒・720pクリップで約1,880クレジット消費。
Pro品質では大量バンドル契約(大量利用向けの契約)で1本あたり約$1.91、通常価格では約$4.60です。
API料金(fal.ai経由、2026年5月時点)
法人案件でSeedance 2.0をAPI経由で利用する場合、開発者体験・ドキュメント・課金の明瞭さからfal.aiが現実的な第一選択です。
音声生成は追加料金なし、動画長は4〜15秒または「auto」設定で出力されます。
Standard(480p / 720p / 1080p対応)
| エンドポイント | 720p時 | 1080p時(参考) |
|---|---|---|
| Text-to-Video | $0.3034/秒 | 約$0.68/秒 |
| Image-to-Video | $0.3024/秒 | 約$0.68/秒 |
| Reference-to-Video | $0.3024/秒 | 約$0.68/秒 |
| Reference-to-Video(動画入力あり) | $0.1814/秒 | 約$0.41/秒 |
Fast(480p / 720pのみ、1080p非対応)
| エンドポイント | 720p時 |
|---|---|
| Text-to-Video | $0.2419/秒 |
| Image-to-Video | $0.2419/秒 |
| Reference-to-Video | $0.2419/秒 |
| Reference-to-Video(動画入力あり) | $0.1452/秒 |
※fal.aiの料金はトークン換算($0.014/1000トークン、Standard時)で計算され、解像度に応じて比例的に増減します。1080p料金はトークン公式に基づく試算値です。
1本あたりのコスト目安
| 動画長・解像度 | Fast(720p) | Standard(720p) | Standard(1080p) |
|---|---|---|---|
| 5秒 | 約$1.21(約190円) | 約$1.52(約237円) | 約$3.40(約530円) |
| 10秒 | 約$2.42(約378円) | 約$3.03(約473円) | 約$6.80(約1,060円) |
| 15秒 | 約$3.63(約566円) | 約$4.55(約710円) | 約$10.20(約1,590円) |
※1USD=156円換算。動画入力を併用するR2Vは、合計秒数(入力動画+出力動画)ベースで$0.1814/秒の課金になります。入力動画が出力動画より短い場合のみトータルで割安になり、入力=出力では逆に約20%高くなります。
Seedance 2.0を横断的に比較した料金まとめ
Seedance 2.0を横断的に比較した料金まとめは、AIクリエイターのとうやさんが公開しているX投稿が分かりやすいです。
Seedance 2.0の商用利用ガイド

商用利用は可能か
結論:「商用利用可能か」はSeedance 2.0そのものではなく、利用するプラットフォームの規約に従う、というのが答えです。
| 経路 | 商用利用 | 備考 |
|---|---|---|
| fal.ai API | 可 | 利用規約に基づきユーザーがIP・肖像権の責任を負う |
| Dreamina 有料プラン | 可 | Free/トライアル枠はNG |
| Dreamina 無料枠 | 不可 | ウォーターマーク付き |
| CapCut Pro | 可 | 実在人物の顔参照は無効化 |
| Runway Unlimited | 可 | Seedance 2.0の生成制限(安全管理・コンテンツ検閲システム)適用 |
クレジット表記の必要性
CapCut/Dreamina経由でSeedance 2.0が出力する動画には、C2PA系の不可視ウォーターマークが自動で付与されます(2026年3月のリリース以降)。
「Made with Seedance」のような明示クレジットは規約上の義務はありません。
ただし、EU AI Act、日本のAI事業者ガイドライン、米国カリフォルニア州AB-2602など、AI生成である旨の表示を義務化・推奨する動きが進んでおり、放送・大手プラットフォーム広告では「AI生成」明示を求められるケースが増えています。
法人案件で使うときの実務的な注意点
- 肖像権・パブリシティ権:「個人の声や肖像を、適切な同意・権利なく描写すること」は禁止されています。
- 既存IP・商標:Disney等のC&D後、キャラクター名や視覚的類似で生成ブロックが強化されています。
リスク回避のため、社内チェック体制を整えることが必須です。 - 楽曲権利:BGM参照に既存楽曲を使う場合、原盤権・著作権の処理は別途必要です。
NG用途
fal.aiの利用規約およびCapCutセーフティポリシーで明示禁止されている用途
- 著作権・商標・プライバシー・データ保護権の侵害
- 個人の声・肖像の同意なき描写、なりすまし
- 児童保護法違反コンテンツ
- 暴力・性的・違法・欺瞞・名誉毀損
- セーフティフィルタの回避
R2Vで使い倒す制作手順

ここからが本記事の核心です。
法人案件でSeedance 2.0を本格活用するうえで、避けて通れないのがR2V(Reference-to-Video)の運用です。
T2V・I2V・R2Vの違いと使い分け
| 用途 | 推奨モード |
|---|---|
| 雰囲気探索・コンセプト出し | T2V |
| 既存の商品写真をそのまま動かす | I2V |
| キャラ一貫性が必要、複数素材を組み合わせたい | R2V |
| 既存動画のカメラワーク・モーションを真似たい | R2V(動画参考素材) |
| BGM/リズムにビジュアルを同期させたい | R2V(音声参考素材) |
| 1枚の画像から動画化、I2Vでうまくいかない | R2V(画像をスタイル参照に) |
法人案件で「コンセプト出しはT2V、本制作はR2V」と二段構えにすると、品質も再現性も上がります。
なぜR2Vが法人案件で重要か
法人案件で「修正耐性・指示の正確性・キャラクター一貫性」が問われるシーンでは、テキストプロンプトだけでは「同じ商品が出てこない」「ブランドの雰囲気がブレる」という事故が頻発します。
R2Vはこれを4つの観点で解決します。
- キャラ・プロダクトの見た目を固定:参考画像を使って、顔・パッケージ・ロゴを安定させられる
- 一部分だけを修正しやすい:参考画像を1枚差し替えるだけで、別パターンの制作やA/Bテストができる
- 言葉で説明しにくい指示を画像で補える:「シネマティックでブランドカラーを保ちつつカメラが近づく動き」を文字で書くより、ムードボード画像を渡す方が早く・確実
- 再現性:同じ参考素材+同じプロンプト+同じ生成条件で、ほぼ同じ出力が得られる
「クライアントレビューで毎回違うキャラが出てくる」問題は、R2Vで構造的に解決できます。
GPT-image-2で参考画像を作る → Seedance 2.0で動かす基本フロー
実務でよく使うパターンが、画像生成AIで参考画像素材を作り、R2Vに渡して動画化するチェイン構成です。
A. ストーリーボード/キーフレーム生成 → R2V動画化
- Step 1:GPT-image-2で、9パネルのストーリーボード(3×3グリッド画像)を生成します。GPT-image-2は1枚のキャンバス上で複数リージョンを扱えるため、キャラ・衣装・ライティングが自然に揃いやすい特性があります。
- Step 2:1枚の9パネルグリッド画像を
@Image1としてR2Vに投入します。 - Step 3:プロンプトに「@Image1の絵コンテに厳密に従い、映画のようなカット切替、大きな動き、印象的な着地シーンを入れて15秒動画を生成」と指示します。
- 結果:1コール/1回の生成で、4倍のカット密度を持つトレーラー風映像が完成します。
B. キャラクター画像と背景画像を組み合わせる方法
- Step 1:GPT-image-2でフォトリアリスティックなキャラクター肖像(
@Image1)を生成します。 - Step 2:Midjourneyでシーン背景(
@Image2)と小道具(@Image3)を生成します。 - Step 3:R2Vに3枚をアップロードし、プロンプトで「Use @Image1’s face and outfit, place in @Image2 environment, with @Image3 as the prop」と明示します。
- 結果:キャラ・背景・小道具が崩れず動画化できます。
C. ブランド素材活用(実務でよく使うパターン)
- Step 1:自社商品の高解像度写真(既存)を背景透明PNG化します。
- Step 2:GPT-image-2でブランドムードボード画像を生成します。
- Step 3:R2Vにアップロードし、プロンプトで「@Image1の商品を、@Image2のライティング・色調で、カメラが近づく動きで撮影」と指示します。
- 結果:撮影スタジオなしで商品紹介動画を量産できます。1本あたり数百円〜数千円のコスト感です。
案件のフェーズによって使い分けるのが、現状のベストプラクティスです。
参考画像の作り方のポイント
R2Vの出力品質は、参照画像の品質と構成で8割が決まります。
意識すべきポイントは以下です。
- 解像度:最低512px、推奨1024px以上、可能なら2Kソース。512px未満では失敗率が25%上昇するという報告があります。
- 構図:被写体を中央〜やや左に配置。
R2Vは構図も参考にするため、作りたい動画と同じ縦横比で画像を作るのが基本です。 - 余白:被写体の周りに十分な余白を取る。
被写体が端で切れていると、動画化時に「フレームに収まらない」破綻が起きやすいです。 - キャラ一貫性:複数枚渡すなら、衣装・ヘアスタイル・ライティングを揃えること。
揃わないとモデルが「平均化」して意図と違う動画が生成されやすくなります。 - NG要素の除外:参照に著作物・ロゴ・実在人物が映り込まないこと。
生成が止まったり、商用利用時のリスクになったりするためです。
制作手順の実例(参考画像→生成結果のBefore/After)
実例用に、架空の化粧品ブランド「LUMÉ」を題材にした参考素材の画像を4つ用意しました。




↓参考画像を元に生成した動画
R2Vの強みである「一部分だけを修正しやすい」点を示すために、ムードボードだけ差し替えます。
商品・動き・カット割りは全て同じです。
差し替えるムードボードの参考素材は以下の画像です。

↓参考画像を差し替えて生成された動画
撮影スタジオを押さえる前の事前確認用の試作動画制作や、SNS用バリエーションの量産で威力を発揮します。
Seedance 2.0が真価を発揮するシーン

法人案件でSeedance 2.0が他モデルより優位に立つのは、以下のような領域です。
物理表現が肝の商品紹介(液体・粉末・布の動き)
飲料・化粧品・食品・アパレルなど、素材の質感と動きが商品価値そのものになるカテゴリで強力です。
化粧水が滴り落ちる、コーヒーがカップに注がれる、シルクのドレスが風で揺れる、といったカットが、撮影なしで複数バリエーション作れます。
カメラワーク主導のシネマティック映像
Hitchcock zoom、orbit shot、tracking、handheldなど、シネマトグラフィー用語に正確に応答するため、TVCMのプリビジュアルや絵コンテの代替として制作会社の上流工程に組み込めます。
クライアントへの企画提案時に「テキストで説明するより、Seedance 2.0で動画にして見せる」方が圧倒的に通りやすく、提案コンペの勝率を上げるツールとして使う制作会社が増えています。
1080p納品要件のあるSNS縦型ショート
- 9:16標準対応
- 24fps
- 最大15秒
- ステレオ音声込み
これらの仕様は、TikTok・Instagramのリール・YouTube Shortsの納品仕様にそのまま合致します。
1度の生成でマルチカットとなり、量産できるため、A/Bテストで最も効率の良いクリエイティブを見つけてから本制作に回すという運用ができます。
音声・SEまで1回の生成で作りたい短尺コンテンツ
BGM・環境音・セリフを並列同時生成できる設計は、ショート尺の制作工数を50〜80%削減します。
「編集に1日かけていたものが、1〜2時間で初稿が出る」レベルの効率化です。
ただしカタカナ商品名のAI音声は要注意。
プロモーション要素の強い「商品名連呼系」のコンテンツでは、AI音声の品質を事前に検証してから本制作に進むのが安全です。
Seedance 2.0を実際に案件で使用した例
弊社株式会社スムージースタジオは、こちらの動画で実際にSeedance 2.0を一部使用し、動画を作成しました。
まとめ|Seedance 2.0が向いている案件・向いていない案件
向いている案件
- 15秒以内の短尺、特にSNS縦型ショート
- 商品紹介・プロダクトショット(液体・粉末・布などの物理表現)
- ブランドキャラクターを連投で動画化(R2Vでキャラ一貫性を担保)
- TVCM・WebCMのプリビジュアル、企画提案用のコンセプトムービー
- A/Bテストのためのクリエイティブ量産
向いていない案件
- 予算が少ない動画制作
- 既存IP(キャラクター・楽曲・商標)の再現が必要な動画
よくある質問(FAQ)

Q1. 商用利用にライセンス料は必要?
A. Seedance 2.0そのものに別建ての商用ライセンス料はありません。
利用するプラットフォームの有料プラン契約に、商用利用権が含まれる設計です(Dreaminaの有料プラン、Runway Unlimited、BytePlus APIなど)。
無料枠は商用利用不可です。
Q2. 出力動画の最大解像度は?
A. fal.ai経由ではStandardで最大1080p(1920×1080)、Fastは720pまでです。
フレームレートは24fps、動画長は4〜15秒。コンシューマ向け(Dreamina有料プラン)でも1080pまで出力可能です。
Q3. 日本語プロンプトはそのまま使える?
A. 多言語エンコーダで日本語にネイティブ対応しています。
ただし、カメラ・照明・スタイルの専門用語は英語の方が安定するため、被写体・雰囲気の補足を日本語で書く「バイリンガル方式」が現状のベストです。
Q4. 生成時間はどのくらい?
A. 通常30〜120秒です。
Fast/720pなら30〜60秒、Pro/2K/15秒なら2〜3分。混雑時は数分〜30分かかることもあります。
Q5. R2Vでは何枚まで参考素材を使える?
A. 1回の生成で最大12ファイル(画像9枚+動画3本+音声3本)です。
動画と音声は合計15秒以内、画像は1枚最大30MB、推奨1024px以上です。(ただし、プラットフォームによっては動画や音声が参考素材にできない場合があります)
Q6. 顔・指の崩れは改善されている?
A. Seedance 1.5 Proで大幅改善されています。
ただし完全ではなく、特に「複雑な手元作業」「20秒以上の整合性」「マイクロ表情の連続変化」では依然として課題があります。
プロダクションでは2〜3回のリトライ前提で進めるのが安全です。
Q7. 競合ツール(Veo 3.1、Kling 3.0)との違いは?
A. 軸ごとに優位なモデルが異なります。
| 軸 | 最も得意なモデル |
|---|---|
| 自然なカメラワークや映像感 | Veo 3.1 |
| 4K高フレームレート | Kling 3.0 |
| マルチモーダル制御・R2V | Seedance 2.0 |
| 価格対品質 | Seedance 2.0 Fast |
詳細な比較は、別記事「R2V時代のAI動画モデル選定|Seedance 2.0 / Veo 3.1 / Vidu Q2 / Kling 3.0を実出力で比較」もあわせてご覧ください。
関連記事:
弘田 朗(ひろた たから)
AIを活用した動画生成やクリエイティブ最適化の実務経験を持ち、スピードと品質を両立させた制作フロー構築を得意とする。特に広告配信におけるABテスト用動画の生成や、ブランド一貫性を担保したAI活用の設計に定評がある。
